8月21日(火)、旧成田家住宅を会場に行われた「武家屋敷で夏を楽しむ」へ行ってきました。
毎年夏に行われているこのイベントも今回で9回目。
今回はこれまでと趣向を変え、「昔の夏の暮らし方」をテーマに実施されました。
まずは、江戸時代のマッチ? ライター??こと、火打石(ひうちいし)を使った体験。
時代劇で、出掛ける主人に向かっておかみさんがカッ☆カッとやるアレです。
※この場合は「切り火」といい、身を清め、外出中の安全を祈願するおまじないです
おしゃぎり会館の佐藤耕太郎館長が、実際に使われていた火打石と火打金(ひうちがね)を使い、実践してみせます。
これが、火を起こすために使う道具(火打道具)です。石は、石英や黒曜石などの硬い石(写真右上)。これを、鋼鉄片を持ちやすく加工した火打金(右から2番目)で勢いよく叩き、火花を飛ばして火口(ほくち・右から3番目)※に火を付けて火種をつくります。
※起こした火を最初に付ける燃えやすい素材
子どもたちもチャレンジしますが、まずなかなか火花が出ません。
佐藤館長いわく、江戸時代の人たちも、上手な人でも火を起こすまでに10分はかかったのだとか。なので、起こした火は消さないよう、夜の間は灰をかぶせ、絶やさないようにしました。火が消えてしまったときは、近所に火を「もらい」にいったそうで、火を絶やしてしまうことは恥ずかしいことだったそうです。
火打石を使った体験の後は、庭に出て、畑の枝豆を収穫。
子どもにはなかなかの力仕事、引き抜くときに尻もちをついてしまう子も。
収穫した枝豆の「豆もぎ」も体験しました。
初めて豆もぎをした子もいて、佐藤館長に「これはどう?」とひとさやごと確認していました。
枝豆を収穫したスペースを利用して、いよいよお待ちかねのスイカ割り。
これには子どもたちも大興奮! みんな真剣です。
スイカ割りの後は、屋敷に戻って昔の食事をみんなで楽しみます。
佐藤館長が用意した食事について解説します。
今回の催しのため、主催のおしゃぎり会館職員は、江戸時代に村上で食べられていたであろう食事を再現しました。まず、江戸時代には食卓を囲む習慣がなかったため、お膳を用意。ご飯は釜で炊き、お櫃(ひつ)に移しておきます。みそ汁は、江戸時代に人気が高かったという納豆汁。魚は鮭と三面川の天然アユ(今となってはぜいたくですね)。煮物に漬物、そして甘酒やおやつにようかん、みたらし団子を用意しました。
解説が終わったところで、みんなに食事が配られ、参加者全員でいただきます。
私もご飯にみそ汁、煮物、鮭、甘酒などをいただきました。
お釜で炊いたご飯はふっくら・甘みがあって、炊飯器のご飯とは全然違います。
※米は岩船産コシヒカリとのこと(江戸時代にはコシヒカリも存在しませんね)
納豆汁が江戸時代の人気メニューだったことには驚きました。
独特の匂いが食欲をそそります。栄養も満点!
子どもたちも「家でも作ってもらおう!」と大絶賛!
一見質素、でも現代では失われてしまった豊かさが感じられる昔の食事でした。
なにより、みんなで食べるご飯は楽しくて格別ですね。
この後も、夏の一日を武家屋敷で過ごした子どもたち。
昔の暮らし・昔の遊びを大粒の汗を流しながら楽しみました。
※この日の新潟の最高気温は34.5℃でした
外は暑くても、武家屋敷の中は風が通り、意外と涼しいのです。
昔の人の知恵を体感したひとときでした。