新潟県村上市と山形県鶴岡市の県境にある山・日本国[にほんこく]。登山口がある村上市小俣[おまた]では、日本国の標高555メートルにちなみ、毎年5月5日に山開きのイベントを開催しています。
日本国
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山開き IN 小俣宿
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※2025年度は終了しています
今回は、この山開きの日に日本国へ登った様子をレポートします。
(取材日:2025年5月5日)
当日の天候が心配でしたが、朝方は気温が低かったものの、だんだんと日が差してきて登山日和になりました。
山の麓では、午前9時から日本国登山安全祈願祭が始まりました。
地図をクリックすると、村上市公式サイトの中部北陸自然歩道(日本国)ルートマップへ遷移します
小俣集落には、日本国の登山口が二つ(小俣口・蔵王堂口)あって、今回は小俣口から登り始めました。
※山形県鶴岡市小名部に、もう一つの登山口・中の俣口があります
※山道および山頂にトイレはありません。小俣口向かいにある日本国登山口休憩舎のトイレをご利用ください
最初に見えてきたのはラジウム清水。この山からラジウム鉱石が採掘されたことが名前の由来のようです。
登り始めて20分もすると、周囲の木々が杉から雑木へと変わり、山野草も楽しめます。
ところどころに看板があります。
※小俣口~山頂は2,700メートルあり、その間を100メートルずつ区切っています
運動不足のせいか、だんだんと息が荒くなってきました。ちゃんと山頂までたどり着けるかな?
松ケ峰広場に着いて、ひと休み。ここから山頂までは1.6キロメートルあるようです。
どんどん追い抜かれながらも、樹木や花、新緑を見ながらゆっくり登りました。登山愛好者の方はスイスイ登っています。
樹木のトンネルです。この辺は上りではないため、一番心地良く歩けました。
この根っこの道も気に入りました。こんなふうに根っこが生えているんですね。
眺望の良い沖見休憩所に着きました。木々の間から日本海と粟島[あわしま]を眺めることができます。この日は遠くまではっきりと見えました。
蛇逃峠[じゃのげとうげ]に着きました。ここには、あずまやがあるのでゆっくり休憩できます。遠くの山は朝日連峰、まだ雪が残っています。
ここから山頂まではあと500メートル、やっとここまで来ました! すれ違う人に「あと少しだよ!」と声かけてもらい、パワーチャージ! 声援って元気が出ますね。ありがたい。
こちらは、鷹待場[たかまちば]というところ。看板には、「(中略)この地で生け捕られ献上された見事な鷹を見た時の将軍が「とれた山は今後日本国と名付けよ」おおせられたことが、「日本国」の地名の由来とも言われております。」と書かれていました。
この花はニシキゴロモというそうです。女性グループの方に教えていただきました。山では知らない者同士でも気軽に話ができるのがいいですね。
いよいよ山頂目前です。
やっと登り切りました! 山頂までは約1時間30分かかりました。道が整備されていたので登りやすかったです。
山開きのきょうは、山頂で豚汁の振る舞いがありました。
先着250名分が用意されていました
山頂は大勢の人でにぎわっていました。私より後に登頂した方が255人目だったので、私は200番ちょっとだったのかな。
豚汁が食べられてよかった!
1番、55番、100番、155番……と係の方がカウントしていて、その番号に登頂した方には記念品がプレゼントされます。記念品が何か気になりましたが、私は仲間よりだいぶ遅くなってしまったので、豚汁をいただいてすぐに下山しました。
帰りは、蛇逃峠から蔵王堂口へ出る別ルートで下山。こちらは松や杉が多く、また違った風景です。この頃になると、もう膝がガクガクしてしまって、膝以外は元気なのに歩くのが大変、どんどん仲間と離れてしまいました。
花の写真を撮りながら、休み休み下山。上の写真の花は「ナガハシスミレだよ」と写真を撮っていた方に教えてもらいました。下の黄色い花は、写真を撮って後で調べると言っていました。私の調べではツルキンバイという花ではないかな。
松の木に群生しているキノコや道に生えている赤いキノコなども見られました。膝が辛くて、最後まで下山できるか、そっちの方が心配になってきました。
何とか無事に下山。ここから少し登ったところにお堂があり、そこでお参りしてからゴールしました。
小俣集落の入り口、小俣口付近の駐車場まではもうひと踏ん張り!
山登りに慣れている仲間は全然疲れていない模様。
何とか無事に日本国に登ることができました。翌日は太ももと二の腕が筋肉痛でしたが、登頂できて良かったです。
上の写真は、山頂で押した「登頂証明スタンプ」。これを山の麓の日本国登頂証明書発行所へ持っていき、500円を支払うと、1~2週間後に自宅へ登頂証明書が郵送されてきます。
後日郵送されてきた日本国登頂証明書です。
登頂証明書には、日本国オリジナル切手が貼られ、日本国麓郵便局の消印(風景印)が押されていました。
山開きの日は、麓でトチ餅や笹団子、アク笹巻きといった特産品の販売や地元・日本国太鼓の演奏もあり、小俣集落を歩いていたら、太鼓の音が聞こえてにぎやかでした。日本国、いい山ですね。
山開きの日以外に「日本国登頂証明書」を入手するには、登頂証明スタンプを集落内の田宮彦作商店(村上市小俣352)へ持参してください。郵便番号・住所・氏名・登頂日を記入して500円を支払うと、1~2週間程度で上記の登頂証明書が郵送されてきます。また、同店では村上市勝木の温泉施設・ゆり花会館または交流の館「八幡[はちまん]」で使える入浴割引券(100円分)もいただけます。
勝木ゆり花温泉「ゆり花会館」
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交流の館「八幡」
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日本国登山
補足&まとめ
≫服装&持ち物について
●脱ぎ着しやすい服装がオススメ。着替えがあると安心です。
※山開きの日は、長袖シャツの上にウインドブレーカーを着ていきましたが、途中で暑くなって1枚脱ぎました
●履きなれたハイキング(トレッキング)シューズがオススメです。
●マダニやその他害虫よけに、虫よけスプレーを用意しましょう。
●クマよけに熊鈴やラジオなど、音の出るものを携行しましょう。
●ストックがあると便利です。※私もストックを使いました
●山頂に自動販売機はありません。飲み物は持参してください。
●ごみは必ずお持ち帰りください。
≫日本国登山情報
●一般的な登山シーズンは例年5/5~11月です。
●登山の所要時間は、登り約1時間30分・下りは約1時間10分です。
●登山口(小俣口)には、日本国登山口休憩舎(トイレあり)、駐車場(収容台数20台)があります。
※トイレは例年4/1~12月の第2日曜日頃まで利用可
●山頂には展望台、休憩舎があります。トイレはありません。
急激な天候の変化や野生動物(クマ等)には十分注意して、安全に日本国登山を楽しんでください。
日本国
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