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羽越しな布 羽越しな布

 

山の恵みを巧みな技術で織り継いできた
古代布・羽越(うえつ)しな布の魅力をご紹介します 

 

2017/03/26

羽越しな布ができるまで 1 木の選別・伐採~しな漬け・しな干し

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羽越しな布ができるまでには、たくさんの労力と手間がかかっています。
本項では、羽越しな布の原材料であるシナノキの選別・伐採から、しな漬け・しな干しの工程までをご紹介します。

 


 

1.シナノキの選別と伐採(6月下旬~7月上旬)
シナノキは生育が早く、10~15年前後で根元が直径15~20cmになり、しな糸に適した樹齢になります。伐採作業は適当な太さのシナノキを探すことから始まります。伐採は、川の水かさが増える梅雨に行います。この時期のシナノキは、樹皮内に水を含んで木幹と遊離しているため、皮が剥がしやすくなります。

 

2.皮をはぐ(6月下旬~7月上旬)
皮をはぐため、木を倒して枝を払います。山側(腹)の樹皮は厚いので、谷側(背)の薄い皮に根元から、鉈で左右に裂け目を入れ、そのまま先端まで一直線に切れ目を入れます。その根元にツクシを立て、こねるようにして樹皮を剥がします。木幹と樹皮の間には、ヌルヌルとした樹液があり、樹皮は丸まった状態でするりと取れます。

 

3.しな干し(7月上旬~下旬)
剥いだばかりの皮は水分を含んでいるので、束ねたままで5~7日間、日の光に当てて風を通し、乾燥させてから農閑期まで保存します。しっかり乾燥させないと、保存期間中にカビたり、こしのない糸になり、良質な糸にはなりません。日に当てられない時は、いろりの上部に置いて乾燥させていました。

 

4.しな煮・しなこき(8月~9月)
乾燥した皮を一昼夜水に漬けて戻し、釜(ドラム缶)に合わせて巻き直して10時間以上煮込みます。釜には大量の灰を入れ、繊維が柔らかくほぐれて網状の布の層が出るまで煮続けます。その後、灰が付いたままの繊維を川の流れで洗います。その際、村上市雷・山熊田ではコキバシと呼ばれる道具を使います。細木や竹の棒2本にしなの繊維を挟み、不要なくず皮をしごき取ります。山形県鶴岡市関川では、コキバシの代わりに石を使います。

 

5.しな漬け・しな干し(9月中旬)
皮を漂白し、柔軟にするため糠(桶の中で2~3日発酵させた糠に、さらに新しい糠を加えたもの)に漬けます。糠・皮・糠と三層にして入れ、ひたひたになるまで水を注いでから重石を置き、麻布やビニールなどでふたをして色合いを見ながら1~2日間漬け込みます。その後は、溜水でだいたいの糠を取り、川でよく洗い流します。2日ほど天日で乾かし、次に風通しのいい日陰で1~2日干し、最後に乾燥した場所に保管され、農閑期まで保存します。

 

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