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羽越しな布 羽越しな布

 

山の恵みを巧みな技術で織り継いできた
古代布・羽越(うえつ)しな布の魅力をご紹介します 

 

2017/03/26

羽越しな布ができるまで 2 しな裂き~機織

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前項で紹介した工程を踏まえ、ようやくしな裂きへと至ります。
本項では、しな裂きから機織までの工程をご紹介します。

 


 

6.しな裂き(10月~12月)
保存していた皮を湯水にさっと濡らして広げ、およそ1cm間隔で裂け目を入れて左手の指4本を差し入れ、右手で皮を引いて荒裂きします。再度3mm程度に裂いて、太さ・長さをそろえて束にし、乾燥させます。
※すぐに績(う)まない時は、1枚分の元を出して片手に巻き、10~20束を一つに束ねておきます

 

7.しな績(う)み(11月~翌3月)
硬いしなをねじってつなぎ、1本のしな糸にします。特別な道具は用いず、伸ばした爪と指を使い、丁寧に績んでいきます。【1】しな糸の細くなっている部分に爪で裂け目を入れる。【2】その中に、つなぐしな糸の元を通して一方に添わせ、Z撚りをかける。【3】他方のしな糸の先にもZ撚りをかけ、両方合わせてS撚りをかけてつなぎ合わせる。
50cm前後の長さで、しな糸を績みついでいきます。

 

8.しな撚(よ)り(2月~3月)
全体を水に漬け、十分にぬらしたシナベソの中心から糸の始まりを取り出し、糸車(シナヨリ車)の先に取り付けた紡錘(つむ)に15cm程度を差し込みます。しな糸の太さ・硬さを見ながら、均一な糸になるように撚りをかけていきます。【1】経緯糸用に枠移しを行う。巻き取ったシベを細いツムに通し、左手に持つ。【2】右手で糸枠を回転させながら巻き取る。枠に移すことで、しな撚りで含ませた湿気を乾かす意味もあります。
※糸車(シナヨリ車)は、しな糸作りの唯一の道具で、家紋を入れたものもあるほど大切な嫁入り道具でした

 

9.機上げ(2月~4月)
しな糸を織り機にかけるための整経作業。この作業では、しな糸がよく乾いていないと絡まってしまいます。ちぎり棒をちぎりに固定して長く伸ばし、綜絖(そうこう)をあてがい、その両端を持って巻き上げます。ちぎり棒を高機に設置します。

 


10.機織(2月~4月)
地機の場合、経糸を巻いたちぎりを機に乗せ、へかけ竹を織り機のまねきからつるします。綾棒部分を開くため、中筒を通して機に取り付けます。腰当て布を腰にあてがい、両端のひもを糸巻き棒に巻き付けて固定、まねきとつながる曲線の木の先端とつなげた足引き縄にわら靴を引っかけます。杼は大きく、打ち込みを兼ねています。地機では、硬いしな糸をきれいに織るのは集中力がいるため、改良された「高機」を使用するのが主流になっています。
※織り幅は36cmを並幅として、10~100cm前後まで対応しています

 

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