11月14日、静岡県藤枝市で「第32回 全国手もみ茶振興大会」(主催:全国手もみ茶振興会)が催され、ことし7月に行われた全国手もみ茶品評会の表彰式がありました。今回、全国の名だたる茶産地から出品された合計100点の手もみ茶の中から、最高賞の農林水産大臣賞(一等一席)に選ばれたのは、村上茶手揉[てもみ]保存会会長・飯島剛志[ごうし]さんが手掛けた手もみ茶です。
写真左から:村上茶手揉保存会会長・飯島剛志さん(冨士美園)と矢部智弘さん(常盤園)
村上茶手揉保存会が結成されたのは2003(平成15)年のこと。製茶の機械化が進む中、手もみの技術を磨くことで機械製茶にもその技を生かそうと取り組んできました。品評会への出品は結成当初から続け、今回の最高賞受賞は22年目での快挙となりました。
これまで受賞したトロフィーの数々。村上茶手揉保存会はこれまでも一等を4度受賞しています
受賞の手もみ茶は、常盤園が育てる「やぶきた」の新芽を厳選して手摘みし、冨士美園社長で保存会会長の飯島さんが約6時間かけて手もみしました。審査は、形状・色沢[しきたく]・香気・水色[すいしょく]・滋味の5項目で行われますが、そのすべてで満点の評価を受けました。
最高賞を受賞した手もみ茶
評価された点について、飯島さんは「15年以上かけて取り組んできた茶畑の土壌分析と肥料設計が実を結んだことと、寒冷紗*をかける期間を例年より長めにしたことがことしの気候にはまった。(手もみ製茶に関して)これまでより水分を多く含ませるように工夫した」と分析し、これからのお茶づくりに生かしたいと話しました。
*日差しや霜などから農作物を守る布
冨士美園[ふじみえん]
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常盤園[ときわえん]
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