瀬波大祭は、西奈彌[せなみ]神社の祭礼です。
朝、神霊が神輿に移されると、祭りの始まりを告げる先太鼓を先達に、渡御行列が始まります。これに5台の屋台が続きますが、先頭の浜町の屋台には、神社の祭神である気比大神が敦賀から海路を使い、瀬波の地に上陸したことに由来して、気比丸(お船様)が乗せられます。屋台は、夜遅くまで町内を練り歩きますが、人々が唄う祭唄(木遣り唄)は、勇壮でテンポが速く、引き手の意気が感じられます。
気比丸(お船様)
いつの頃から屋台が出るようになったのか、その記録は残っていません。しかし、瀬波上町に伝わる祭礼車道具入箱に享保4(1719)年と書かれているので、その頃には屋台があったと思われます。また、寛政6(1794)年に村上の大工町が屋台を新造したとき、古い屋台を180貫文で瀬波中町に売ったという記録があります。