西奈彌神社という名は、927年に編さんされた「延喜式」に載っている磐舟[いわふね]郡八座の中の神社なので、長い歴史を持つ、由緒あるお宮ということになります。西奈彌神社の祭神は、保食神[うけもちのかみ]と呼ばれています。字が表わす通り、食物を司る神様です。
さて、瀬波の地名にはどのような由来があるのでしょうか。
昔、神様が越前(現在の福井県)から家来を連れて船で、瀬波の沖にやってきました。その時、背後から風が吹き付けてきて、船はその風と波に乗って、無事に瀬波の浜に着くことができました。神様は「よき背の波かな」と申されたとか。そこから「せなみ」という地名が生まれたそうです。
神様に従ってきた家来は瀬波に住むことになりました。伊與部・磯部・小島(嶋)・小武・吉田といった名字の家の先祖に当たるそうです。