越後むらかみ 食の聞き書 越後むらかみ 食の聞き書

日ごと移ろう四季がある日本では、季節ごとの行事とそれに伴う食(行事食)が大切にされてきました。ここ新潟県村上市でも、四季折々の行事に加え、地域の祭りや神事等で供される当地ならではの食があり、それは「節がない」といわれる現代において、大切に受け継いでいきたい文化の一つでもあります。

 

当コンテンツは、村上商工会議所と食の街・むらかみブランド化事業委員会が手掛けた『越後むらかみ 食の聞き書』(2015年発行)の中から、ひと月に1~2編ずつ、行事と食に関するエッセイを掲載します。イラストは石田光和さん(エムプリント)です。
※地域や風習によって掲載されている内容とは違っている場合があります

2026/10/01

10月 村上の秋


村上の秋

 

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うだるような暑さが過ぎ去った安堵感、寒くて長い冬を迎える一抹の寂しさや郷愁の念からくるのかもしれないが、秋は寂寥[せきりょう]感にかられることが多い。

しかしながら、村上の秋はそんじょそこらの秋とはちょっと違うのである。むしろ、ここからが村上の食の真骨頂、本領発揮。日本一食べる地域といわれる鮭の季節がいよいよ始まる。

母なる三面川[みおもてがわ]に、赤や黄色に色付いた折り紙、紅葉がはらはらと舞い落ちる間隙[かんげき]を縫って、秋のやさしい光を銀鱗[ぎんりん]にゆらゆらと乱反射させ、ぐいぐいと鮭が遡上してくる。村上の美しくて、おいしい情景はここに極まる。

 

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