常盤園
江戸時代後期、天保10(1839)年に創業し、現在まで村上茶を家業として守り、受け継いできました。栽培・製造・販売までを一貫して行っています。特に「火入れ(乾燥)」工程にこだわり、その季節に合わせた味・香りを引き出すように仕上げています。店舗では、明治時代に建てられた町屋も見学できます。
江戸時代初期(1620年代)、時の城主・堀直竒(ほり なおより)が江戸駒込の藩邸で栽培されていた種子を村上に移植した、という説と、同年に村上藩の大年寄・徳光屋覚左衛門(とくみつや かくざえもん)が宇治から種子を買い求めて植えさせた、という説の2説があります。いずれにしても、村上茶には約400年の歴史があります。
温暖な気候を好む茶の木にとって、雪国・新潟の最北端にある村上は栽培適地とはいえません。しかし、海側に位置するため積雪量が比較的少なく、また適度な積雪が寒風から木を守ってくれるため、北限の茶処・村上は今日まで続いてきました。長く厳しい冬を越えた茶の木の新芽は、まろやかなうま味が特徴の村上茶になります。
村上市内の老舗染物店では、ハンカチなどを村上茶で染める体験プログラム(要予約)が人気。北限の茶処・村上を訪れた記念に、あなただけの作品を作ってみませんか。また、古くなってしまった茶葉はアロマとして楽しみましょう。茶香炉と呼ばれる道具で茶葉を熱し、ほのかに漂う優しい香りに癒やされてください。