16番 片町 かたまち
片町の屋台は昭和8(1933)年に造られたもので、しゃぎり屋台の形式でありながら、調べはお囃子調子で、乗り子の衣裳は舞楽の楽士の衣裳であるところが特徴的です。乗せ物は、舞楽の「蘭陵王(らんりょうおう)」。屋台後方の見送りは、壮大な唐獅子で、当時の帝展無鑑査の美術作家、初代・小野為郎と山脇敏男の合作によるものです。
17番 上片町 かみかたまち
上片町の屋台は、昭和8(1933)年に造られたものです。乗せ物は神代を象徴する岩戸神楽の「天鈿女命(あめのうずめのみこと)」で、山脇敏男の作です。しゃぎり囃しは、岩船町より取り入れられ、乗り子は水色の帷子と黄色の裃を着て、大太鼓、小太鼓、摺り鉦、そして笛の音で荘重の中に優美な調子を奏でます。平成12(2000)年、屋台後方の見送りが新調され、上片町の屋台に新たな1ぺージが加えられました。
18番 加賀町 かがまち
加賀町の屋台は、昭和63(1988)年に造り替えられたものです。乗せ物は、日本の昔話「舌きり雀」でおなじみ、良いおじいさんが宝の入ったつづらを担いでいる姿です。加賀町屋台のような、二輪加屋台の特徴は、お囃子屋台の荘重さ、しゃぎり屋台の豪華さとは趣きを異にした、笛と太鼓とが織り成す軽やかなリズム、それに合せた屋台の軽快な動きにあります。いかにも「祭りを楽しむ」という言葉が当てはまるようです。
19番 泉町 いずみまち
泉町の屋台は、平成4(1992)年に造り替えられたもので、乗せ物は「二宮金次郎」です。この屋台も、笛と太鼓の軽やかな調子と軽快な動きをする仁輪加屋台ですが、見所の一つに「見送りの松」があります。この見送りの松は三段になっており、取り付けの時に非常に苦労します。しかし、その分仕上がりはきれいになり、見応えのある見送りとなります。また、屋台二階四角に長堤燈を配置しているのも、仁輪加屋台としては特徴的です。