おしゃぎりを引き回す時に謡われるのが「村上甚句」です。謡い方は、歌詞の前節を独唱し、後節を全員で斉唱します。歌詞は五七七五調が多くなっています。
ここで、歌詞のいくつかをご紹介します。
※あいうえお順
踊ろてば 今夜一晩だに踊れ
明日の晩げから 踊られぬ
面白て 足が地に着かぬ
イヤお狐コンコンでもついたか見てくれとのさ
鍛冶町から 鐘馗[しょうき]様でても
肴町通いは やめられぬ
河内様 良く聞き分けて
二度と頼まぬ 今一度
下渡山[げどやま]に お振り袖着せて
奈良の大仏様 婿にとる
ごんないおんさ 曲金[まがりがね]飲んだ
喉にはばけないで よく飲んだ
こぼれ松 手でかきよせて
お前来るかと 焚いて待つ
山辺里[さべり]の橋 真ん中から折れる
今にどの橋 渡るやら
さんど豆に 筍[たけのこ]入れて
落とし玉子は なおよかろう
せけども 今この身では
時節待つより ほかはない
出た出た 今朝出た舟は
波に押されて 磯廻る
どんぶり鉢 落とせば割れる
娘島田は 寝て割れる
長い町[ちょう]だ 足駄でかよた
鉄[かね]の足駄も たまりゃせぬ
ねむられないと 夜中に起きて
人目忍んで 神頼む
瓢箪[ひょうたん]下げ あいの風また吹けば
とんで行きたや お滝様
○○衆に 限るではないが
イヤお酒の飲む人 どなたでも
三面川[みおもてがわ] 宝の蔵よ
あれを 見やんせ鮭の群れ
三日月様 やけに細々と
細いはずだよ 病み上がり
村上は 良い茶のでどこ
並びサケ川 山辺里織[さべりおり]
酔[ゆ]うたが酔[ゆ]うた 五勺の酒に
一合飲んだやら なじょだやら
良いとこだよ 北西[きたにし]晴れて
東山風[ひがしやまかぜ] そよそよと
参考文献:越後村上羽黒神社 村上大祭