12月上旬に軒下に下げられた塩引き鮭は、その年の大晦日の食卓を飾ります。
ですが、そのまま寒風を受け、年をまたぐ塩引き鮭も 。
冬を越え、春を過ぎ、梅雨を抜けて、夏を迎えた村上大祭の頃、鮭の身は水分が抜け(漁獲時の1/3程度の重さ)、カチカチになって鮭の酒(さか)びたしと呼ばれる逸品が出来上がります。約半年間、村上特有の風にさらし、低温発酵を促すことにより、鮭のうまみを凝縮・熟成させたものが鮭の酒びたしなのです。
鮭の酒びたしの食べ方は、まずは皮をはぎ、固い身を刺し身のように薄く削ぎ切りにします。それを「酒びたし」の文字の通り、日本酒(または本みりん)を少々振りかけ、3~5分ひたしてからいただきます。針ショウガを添えて食べるのもオススメ。もちろん、そのまま食べてもおいしいです。