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2024/09/10

【鮮烈デビュー!】新潟のどぐろ「美宝(びほう)」

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(取材日:2024年8月23日・26日)

2024年7月、華やかにデビューした新潟県産のどぐろブランド「美宝(びほう)」。ノドグロ(正式名称:アカムツ)は、白身の魚でありながら脂ののった、煮ても・焼いても・刺し身でもおいしい魚です。

新潟県はノドグロの産地の一つ。県では、以前よりブランド推進品目の一つに挙げていましたが、今回、さらに高規格の基準を満たしたノドグロだけを「美宝(びほう)」という名前でブランド化しました。

 

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岩船港

美宝を獲ることができるのは、県内でも3港7漁船の熟練した漁師だけその中でも、村上市は桑川・岩船の2港6漁船が認定されています。今回は、そのうち5艘の漁船が属する岩船港を訪ね、新潟県漁業協同組合岩船港支所で話を伺いました。

 

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取材にご協力くださったのは、新潟県漁業協同組合岩船港支所 支所長の伴田航さん(写真左)と支部長の脇坂三重城[みえき]さん。脇坂さんは、美宝を獲る岩船港5漁船の一つ「栄伸丸」の漁師でもあります。

 

▶漁について
美宝の漁法は、はえ縄*です。夜10時頃に出港し、片道2時間以上かけて漁場(粟島沖)に向かい、漁をして翌日午前10~11時頃に港へ戻ってきます。
*一部の刺し網を含みます

 

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はえ縄漁は、1,000mの幹縄に100の枝縄があり、枝縄の先にある釣り針で魚を獲ります。幹縄は、その日の海の状況に応じて5~6つ使うとのこと。釣り針に付ける餌は、時期によりサンマやイワシを使います。漁場に着いたら、まずは釣り針の一つ一つに餌を付け、海へ投げ入れます。1,000mにつき100本の釣り針が付いているため、6つの幹縄を使う時は600本もの釣り針に餌を付けます。それだけでも大変な作業です。

ノドグロの習性は、目の前に餌がきたら食べるとのこと。そのため、餌の付いた釣り針を海に投げ入れた後、ノドグロのいる場所に船を移動させて漁をしているそうです。ノドグロがいなければ獲れない時もあって、そこは熟練漁師の読み次第。その後、幹縄を巻き上げますが、巻き上げには時間がかかり、魚が多く獲れた時は1,000m巻き上げるのに1時間くらいかかるそうです。

 

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「潮の判断で獲り方を変える」と話す脇坂さん。潮の流れは日によって異なり、また水深によっても異なるそう。幹縄は潮に乗せるのが良く、その日の潮の流れを読みながら獲り方を変えているそうです。また、のどぐろは4~6月頃は岩場に生息することが多いため、数は多く獲れないそう。8月になると産卵前で脂ののった大きいサイズが獲れるそうです。

 

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また、「ノドグロは、水揚げして空気にさらすときれいに映えるんだよ」と教えていただきました。朱色の艶々した、大きなうろこがピカピカと光り、まるで宝石のようなノドグロは、まさに美宝という名がぴったりですね。

 

▶美宝の品質
ここからは美宝の品質に迫ります。高規格をうたった厳しい審査基準。選ばれた漁師が獲り、品質管理を徹底したノドグロだけが美宝になります。

 

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「基準は①400g以上であること。②うろこの剥がれがないこと。③直接手で触れないこと。④漁獲後から氷冷し、魚体に氷が直接触れないように荷造りを施すこと。などです」と伴田さんが教えてくれました。

美宝を獲る漁師は、現在は岩船港に5艘、桑川漁港に1艘、そして糸魚川市の筒石漁港に1艘(刺し網漁の指定漁船)の計7漁船の熟練漁師のみ。脇坂さんは15歳から漁師になり、現在76歳。ノドグロを獲って30年以上のキャリアを誇ります。

ノドグロを獲るためのはえ縄漁は寺泊の漁師から習ったそう。「最初はうまくいかなかったよ」とのことですが、これまでに何度も2kg超えのノドグロを手にしてきました。海も魚のことも知り尽くしている漁師だからこそ、高規格の魚が取り扱えるのですね。

 

美宝の将来
ことしブランド化した美宝。当初7月1日から流通開始の予定でしたが、7月は時化[しけ]が多く、思うように出漁できませんでした。初競り(入札)が行われたのが7月19日。8月に入ってからは、出港したら獲れるようになってきたとのこと。700g~1kgくらいがよく獲れるそうです。9月頃まで美宝の漁は続くとのことでした。

 

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美宝にだけ付けることができるタグ。裏面には獲った漁船の名前も記載されています

伴田さんは、今はメディアの取材も多く、美宝の認知度が上がってきていて、需要が高まっているとのこと。将来的には、「美宝」の獲れる漁師を増やしていきたいとおっしゃっていました。

 

さて、美宝とはどんなおいしさなのでしょうか。まだ食べたことのない美宝ですが、その味は別格といわれています。村上市では1軒、料亭 能登新で取り扱いをしています。この他、新潟県内では9店舗、東京で1店舗が取り扱っています。詳しくは下記の公式サイトをご覧ください。私もいつかは食べてみたい!

 

新潟のどぐろ「美宝」|宝漁鮮美
https://bihou.net/(外部リンク)

料亭 能登新
https://www.sake3.com/spot/1098

 

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