旬、とれたて! 旬、とれたて!

 

食材の宝庫である新潟県村上市。
その魅力たっぷりの海の幸・山の幸・里の幸の
情報をいち早く皆さまにお届けします!

 

●記事中で紹介している商品価格・店舗情報等は
取材当時のものです。あらかじめご了承ください。

●品ぞろえは天候や収穫・漁の状況等により変わります。

  

2025/02/05

六斎市 ―立春の頃―

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(取材日:2025年1月27日)

2025年がスタートし、早くも1月が過ぎ去りました。「1月は行く 2月は逃げる 3月は去る」といいますが、こんな時こそ、ゆっくりと食事を楽しむ時間を取りたいもの。

さて、今は二十四節気でいうところの立春です。春の始まりとされる頃ですが、二十四節気は旧暦を元にしている上、新潟県村上市は首都圏などと比べ春の訪れが遅いため、まだその気配は感じられません(余談参照)。六斎市に並ぶ品々も、冬の野菜や魚介が多く見られましたが、よく探してみると黄色い花を咲かせた早春のアノ野菜がありました。春はゆっくりとですが、着実に近づいてきているようです。

余談:上記写真の道路に雪はありませんが、昨日からの寒波でまた真っ白になりました。

六斎市
https://www.sake3.com/spot/15466

 


 

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野菜は、大根白菜カブといった冬野菜が主体です。大きなキャベツも並んでいましたが、例年と比べるとややお高めな印象。それでも鮮度はピカ一ですから、何玉も買っていく人がいました。

 

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体菜[たいな]は、新潟の郷土料理・煮菜[にな・にいな]*に使われる野菜です。生のものは、他の青菜同様に炒めたり、みそ汁の実にしたりしていただきます。
*塩漬けした体菜を塩抜きし、油揚げや打ち豆などの具材とともに炒め煮したもの

 

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煮菜といえば、欠かせない食材の一つが打ち豆[うちまめ]です。主に北陸~東北で作られている保存食で、水に浸けて柔らかくした大豆を木槌で叩き、乾燥させたものです。火の通りが早く、栄養も豊富。昔ながらの食べ方に加え、キーマカレーやハンバーグに混ぜ込むなど、洋食にアレンジして使う人も増えています。

 

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冬の六斎市でよく見かけるのが、出店者が手作りした漬物です。梅干しやたくあん、赤カブ漬け、白菜漬けなど種類も豊富。同じ漬物でも作り手によって味もさまざま、食べ比べしてお気に入りを探してください。

 

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冒頭に書いた「…黄色い花を咲かせた早春のアノ野菜」とは、アスパラ菜のことでした。鮮やかな黄色が目を引くのか、多くの方が買い求めていました。

 

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岩船港で水揚げされたズワイガニも並んでいました。写真を撮っているそばから1杯、2杯……と買われていき、あっという間に品薄に。

 

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出店者が「きょうのイチオシ!」と言っていたマダラ。卵のしょうゆ漬けは、温かいごはんにかけるだけでごちそうになります。白子はこの時期だけの美味、酒の肴にいいですね。

 

六斎市
https://www.sake3.com/spot/15466

開設位置
村上市三之町(村上市役所脇道路)
開設日
毎月2、7、12、17、22、27日
※1/2と7/7は休みです
※7/5と12/30は特別に開設されます
開設時間
8:00頃~11:00頃
お問い合わせ
TEL 0254-53-2111(村上市役所 地域経済振興課)

 

2024/11/20

六斎市 ―立冬の頃―

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(取材日:2024年11月7日)

2024年の短い秋が過ぎ、間もなく冬が訪れようとしています。二十四節気の一つ、立冬を迎えた日の村上市は、まさに冬の入り口に立ったかのような冷え込みでした。

そんな日の朝に立ち寄った六斎市。ぽつりぽつりと人が行き交い、そこここで話し声が聞こえ、人のぬくもりが感じられました。店先に並んだ野菜や魚介ももう冬のもの。旬のものをおいしくいただき、来る冬に備えたいものです。

六斎市
https://www.sake3.com/spot/15466

 


 

この日、店先に並んでいたものを紹介します。
まずは魚介から。

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鮭のまち・村上の、この時期の楽しみといえば、しょうゆはらこでしょう。こちらは出店者の手作りで毎年人気とのこと。新米の炊きたてごはんにのせれば、もう言うことなしです。

 

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小ぶりなヤリイカが煮付けになって並んでいました。お酒のアテによさそうです。

 

続いて、今が旬の農産物。

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前日に収穫したばかりというレンコンが並んでいました。だるまれんこん*という品種だそうです。
*新潟県長岡市周辺で作られている伝統野菜「長岡野菜」の一つ

 

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白いカブと赤カブ。手作りの赤カブ漬けもありました。

赤カブ漬けの作り方
https://www.sake3.com/akakabu/61

 

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里芋がぎっしり、とてもお買い得でした。

 

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こちらは手作りのみそ。「糀[こうじ]がいっぱいでおいしいよ」とのこと。

 

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こちらは生柿ですが、さわしたのもありました。

 

最後に生花を。

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生花を扱う店の前はシクラメンやポインセチアで飾られ、とても華やかでした。冬に向かい、暗い色が増えていく中で、こうした鮮やかな色が暮らしの中にあると心も明るくなりそうです。

 

六斎市
https://www.sake3.com/spot/15466

開設位置
村上市三之町(村上市役所脇道路)
開設日
毎月2、7、12、17、22、27日
※1/2と7/7は休みです
※7/5と12/30は特別に開設されます
開設時間
8:00頃~11:00頃
お問い合わせ
TEL 0254-53-2111(村上市役所 地域経済振興課)

 

2024/09/10

【鮮烈デビュー!】新潟のどぐろ「美宝(びほう)」

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(取材日:2024年8月23日・26日)

2024年7月、華やかにデビューした新潟県産のどぐろブランド「美宝(びほう)」。ノドグロ(正式名称:アカムツ)は、白身の魚でありながら脂ののった、煮ても・焼いても・刺し身でもおいしい魚です。

新潟県はノドグロの産地の一つ。県では、以前よりブランド推進品目の一つに挙げていましたが、今回、さらに高規格の基準を満たしたノドグロだけを「美宝(びほう)」という名前でブランド化しました。

 

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岩船港

美宝を獲ることができるのは、県内でも3港7漁船の熟練した漁師だけその中でも、村上市は桑川・岩船の2港6漁船が認定されています。今回は、そのうち5艘の漁船が属する岩船港を訪ね、新潟県漁業協同組合岩船港支所で話を伺いました。

 

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取材にご協力くださったのは、新潟県漁業協同組合岩船港支所 支所長の伴田航さん(写真左)と支部長の脇坂三重城[みえき]さん。脇坂さんは、美宝を獲る岩船港5漁船の一つ「栄伸丸」の漁師でもあります。

 

▶漁について
美宝の漁法は、はえ縄*です。夜10時頃に出港し、片道2時間以上かけて漁場(粟島沖)に向かい、漁をして翌日午前10~11時頃に港へ戻ってきます。
*一部の刺し網を含みます

 

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はえ縄漁は、1,000mの幹縄に100の枝縄があり、枝縄の先にある釣り針で魚を獲ります。幹縄は、その日の海の状況に応じて5~6つ使うとのこと。釣り針に付ける餌は、時期によりサンマやイワシを使います。漁場に着いたら、まずは釣り針の一つ一つに餌を付け、海へ投げ入れます。1,000mにつき100本の釣り針が付いているため、6つの幹縄を使う時は600本もの釣り針に餌を付けます。それだけでも大変な作業です。

ノドグロの習性は、目の前に餌がきたら食べるとのこと。そのため、餌の付いた釣り針を海に投げ入れた後、ノドグロのいる場所に船を移動させて漁をしているそうです。ノドグロがいなければ獲れない時もあって、そこは熟練漁師の読み次第。その後、幹縄を巻き上げますが、巻き上げには時間がかかり、魚が多く獲れた時は1,000m巻き上げるのに1時間くらいかかるそうです。

 

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「潮の判断で獲り方を変える」と話す脇坂さん。潮の流れは日によって異なり、また水深によっても異なるそう。幹縄は潮に乗せるのが良く、その日の潮の流れを読みながら獲り方を変えているそうです。また、のどぐろは4~6月頃は岩場に生息することが多いため、数は多く獲れないそう。8月になると産卵前で脂ののった大きいサイズが獲れるそうです。

 

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また、「ノドグロは、水揚げして空気にさらすときれいに映えるんだよ」と教えていただきました。朱色の艶々した、大きなうろこがピカピカと光り、まるで宝石のようなノドグロは、まさに美宝という名がぴったりですね。

 

▶美宝の品質
ここからは美宝の品質に迫ります。高規格をうたった厳しい審査基準。選ばれた漁師が獲り、品質管理を徹底したノドグロだけが美宝になります。

 

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「基準は①400g以上であること。②うろこの剥がれがないこと。③直接手で触れないこと。④漁獲後から氷冷し、魚体に氷が直接触れないように荷造りを施すこと。などです」と伴田さんが教えてくれました。

美宝を獲る漁師は、現在は岩船港に5艘、桑川漁港に1艘、そして糸魚川市の筒石漁港に1艘(刺し網漁の指定漁船)の計7漁船の熟練漁師のみ。脇坂さんは15歳から漁師になり、現在76歳。ノドグロを獲って30年以上のキャリアを誇ります。

ノドグロを獲るためのはえ縄漁は寺泊の漁師から習ったそう。「最初はうまくいかなかったよ」とのことですが、これまでに何度も2kg超えのノドグロを手にしてきました。海も魚のことも知り尽くしている漁師だからこそ、高規格の魚が取り扱えるのですね。

 

美宝の将来
ことしブランド化した美宝。当初7月1日から流通開始の予定でしたが、7月は時化[しけ]が多く、思うように出漁できませんでした。初競り(入札)が行われたのが7月19日。8月に入ってからは、出港したら獲れるようになってきたとのこと。700g~1kgくらいがよく獲れるそうです。9月頃まで美宝の漁は続くとのことでした。

 

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美宝にだけ付けることができるタグ。裏面には獲った漁船の名前も記載されています

伴田さんは、今はメディアの取材も多く、美宝の認知度が上がってきていて、需要が高まっているとのこと。将来的には、「美宝」の獲れる漁師を増やしていきたいとおっしゃっていました。

 

さて、美宝とはどんなおいしさなのでしょうか。まだ食べたことのない美宝ですが、その味は別格といわれています。村上市では1軒、料亭 能登新で取り扱いをしています。この他、新潟県内では9店舗、東京で1店舗が取り扱っています。詳しくは下記の公式サイトをご覧ください。私もいつかは食べてみたい!

 

新潟のどぐろ「美宝」|宝漁鮮美
https://bihou.net/(外部リンク)

料亭 能登新
https://www.sake3.com/spot/1098

 

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