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城下町・村上 城下町・村上

 

新潟県の最北に位置する
村上市は城跡武家屋敷町屋寺町
城下町の四大要素が残る希少なまちです。

 

この魅力ある城下町・村上を
ちょっとひも解いてみましょう。

2024/04/10

③堀直竒「江戸時代の村上 ~村上藩歴代藩主物語~」

 

江戸時代の村上藩は、藩主が目まぐるしく代わり、9家・21人の藩主が当地を治めました。

慶長3(1598)年~元和4(1618)年までの20年間を治めた村上家は、家中の争いが幕府に知られてお家断絶。その後、長岡藩から堀直竒が入り、堀家が元和4(1618)年~寛永19(1642)年の24年間にわたって治めました。

今回紹介する堀直竒は、現在まで続く村上の原型をつくった人物といわれています。

 

「江戸時代の村上 ~村上藩歴代藩主物語~」は、2023年11月3日~12月3日まで、おしゃぎり会館(村上市郷土資料館)で開催された同名の展示を、おしゃぎり会館監修のもと、当サイト用に編集したものです。

おしゃぎり会館(村上市郷土資料館)
https://www.sake3.com/spot/179

 


 

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堀直竒【堀丹後守直竒】
ほり なおより

直竒は、堀直政[なおまさ]の子として天正5(1577)年に尾張で生まれた。若年で豊臣秀吉に小姓として仕えてその寵[ちょう]を受け、やがて従五位下の丹後守に叙任される。慶長3(1598)年の堀秀治[ひではる]の春日山移封に際し、父・直政に従って越後に移り、1万石で上田坂戸城[さかどじょう]を預けられた。

 

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新潟県立歴史博物館(長岡市)所蔵の堀直竒寿像
画像提供:おしゃぎり会館(村上市郷土資料館)

直竒は、慶長5(1600)年の関ケ原の戦いでは徳川家康に属し、会津の上杉景勝[かげかつ]を牽制。上杉遺民一揆が起こると、これを下倉城(現在の魚沼市)にて破り、家康と秀忠から感状を受けている。

 

慶長15(1610)年の父・直政の死後、家督を兄の直清[なおきよ]と争う。春日山城では、堀秀治没後に幼少の忠俊[ただとし]が跡を継いでおり、直清が忠俊を後見するかたちで専横をふるったことが要因であった。主家を巻き込んだ兄弟の確執は、幕府の判断により直清は家禄没収のうえ出羽山形に配流、忠俊は越後国主の地位をはく奪されて陸奥磐城に配流となり、直竒は独立して4万石で信濃飯山城を与えられた。

 

慶長16(1611)年、直竒が駿府に伺候*[しこう]していた時に駿府城で火災があり、直竒の働きが抜群であったとして1万石を加増された。さらに同19(1614)年の大坂夏の陣の武勲により戦功があったことから、元和2(1616)年には8万石で越後長岡城主となった。わずか2年の長岡城主時代であったが、その間に長岡城と城下町を建設し、新潟港と信濃川水運の整備を行っている。
*身分の高い人のそば近くに仕えること

 

元和4(1618)年、2万石を加えられて10万石で村上城主となる。在城期間24年。その間に才覚を十二分に発揮し、城下の整備や産業の振興を図り、現在の村上の原型を築いていった。寛永16(1639)年に63歳で没。

 


 

▶村上の原型をつくった堀直竒

村上茶
北限の茶の始まりは、村上藩の大年寄・徳光屋覚左衛門[とくみつや かくざえもん]が伊勢参りの帰りに寄った宇治から茶の実を買い求め、それをまいたものといわれていますが、もう一説に直竒が駒込の下屋敷に宇治から取り寄せた茶の実を植え、それを村上に広めたという説もあります。

村上茶について
https://www.sake3.com/speciality/tea

 


元和5(1619)年、鮭を保護するため「御領分所々の川にて鮭の子を取り申す儀、固くご法度に候…」という立て札を三面川に立てさせました。鮭の回帰性から稚魚の捕獲を禁じ、鮭を保護していたことが伺えます。後の『種川の制』などの取り組みの源流となりました。

鮭について
https://www.sake3.com/speciality/salmon

 

村上大祭
村上大祭の起源は寛永10(1633)年。村上城と城下の整備を進めていた直竒は、城郭内にあった氏神の羽黒神社を「山城から見下ろすことはおそれ多い」として現在地へ遷宮しました。この時、城下の大町[おおまち]の町人が、城から工事に使われていた車を借り、太鼓を乗せてお祝いに町中を練り歩いたことが始まりとされています。

村上大祭について
https://www.sake3.com/murakamitaisai/

 

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