2021年9月、各酒蔵から秋上がり(冬に仕込んだ酒が夏を越え、うま味がのったもの)が出荷され、酒屋の店先には秋の酒が並んでいます。今回は、村上市大町の益甚(ますじん)を訪ね、この秋オススメのお酒3本を教えていただきました。
益田茂彦さん(撮影のためマスクを外しています)
益甚は、大洋酒造の前身である14酒造業者の一つ「益田鶴」を造っていた元酒蔵。店主の益田茂彦さんは大洋酒造7代目社長を務めた方です。そのため大洋酒造の酒に対する想いもひとしお。今回はご紹介いただいた酒3本全て大洋酒造のものです。
それでは益田さん、オススメのお酒3本を教えてくださーい!
[大洋酒造]
特別純米 ひやおろし生詰原酒 大洋盛
(720㎖ 1,408円・税込)
<益田さん>
ひやおろしとは、冬に仕込んだ酒が夏を越し、空気がひんやりしてきた頃に二度目の火入れを行わず卸す酒のこと。「原酒」とある通り、アルコール度数が17度(日本酒は15度前後のものが多い)と高く、香味・うま味が濃いのが特徴です。オススメの飲み方はオン・ザ・ロック。溶けた氷で中和しながら、ゆっくり味わってください。脂ののったサンマや味の濃い料理と相性がいいです。
[大洋酒造]
山廃特別純米 SAKE×SAKE 大洋盛
(720㎖ 1,518円・税込)
<益田さん>
初蔵出しから3年目、酒蔵つきの乳酸菌で酒母を造る「山卸廃止酛」純米酒です。芳醇でうま味が強いこの酒は、冷や(常温)やぬる燗(40℃)でいただくのがオススメ。温めることでうま味や香りがさらに膨らみます。合わせる料理は、天ぷらやこってりとした和食、ラベルに描かれている塩引き鮭もいいですね。
[大洋酒造]
紫雲 大洋盛 普通醸造酒
(720㎖ 825円 / 1.8ℓ 1,947円)※税込
<益田さん>
「紫雲」は村上市・岩船郡内の紫雲会加盟特約店限定酒で、当地へお越しになった方しか購入できない特別な酒。普通酒ですが、原料米を55%まで磨く等、ぜいたくな造りをしています。この酒もぬる燗がオススメ。飲み飽きしない酒なので、おひたしなどのサッパリしたもの、普段の食事に合わせてください。
実際の店先の様子
益甚の店先を、切り絵作家の山上あづささん(山上染物店)が描き、手ぬぐいに仕立てた益甚オリジナル商品(1,200円・税込)です。レトロな丸型ポストに町屋造りの店先が実に村上らしい一枚、益甚を訪ねた記念にいかがでしょう。
また、益甚の建物は国の登録有形文化財となっており、店舗奥の町屋の造りや酒造りの道具、店主と奥様が日々手入れをしている庭も公開しています。庭では今、秋の草花が見頃を迎えています。こちらもぜひご覧になってください。
今回の「おしえて、酒屋さーん」
所在地
村上市大町1-19
電話番号
0254-53-2432
営業時間
10:00~12:00、13:00~17:00
定休日
水曜日、その他不定休
駐車場
大型バス2台分
※バス駐車場としてご利用の際は要予約