和菓子・洋菓子といった「お菓子」や「甘味」、最近では「スイーツ」など、甘いものを表す言葉はいろいろありますが、中でも「おやつ」という言葉には、素朴で温かい、家庭的な雰囲気までもが内包されているように思います。
ちょっと小腹がすいたとき、冷蔵庫にこんなおやつが入っていたらきっとうれしい。今回紹介するのは、そんなおやつです。
村上市塩谷で天保10(1839)年頃から続く元菓子屋(もとがしや)。普段は冠婚葬祭用の式菓子を手掛けており、予約がなければ店頭で商品を買うことはできません。
取材に伺った日(8月下旬)は、式菓子の定番プラリネ作りの真っ最中。気温が高いとチョコレートが溶けてしまう心配もあるけれど、「それでも頼まれることが多い」という人気商品の一つ。
そんな元菓子屋が、ことし春から始めたのが「おやつの日」です。火・金曜日の週2回、2種類のおやつを数量限定で店頭販売するというもの。始めたのは元菓子屋8代目の野澤大(だい)さんです。
東京の洋菓子店で経験を積み、9年前にUターンをして店を継いだ大さん。新型コロナウイルス感染症により、式菓子の注文にも影響が出始めた今春、これまでやってみたいと思っていた店頭販売を始めることにしました。
「おやつの日」のおやつは、わらびもちとほうじ茶プリンの2種類。どちらもそれほど手間がかからず、「自分が今、食べたいと思ったもの」(大さん)とのこと。「おやつ」と呼ぶからには、原材料や外装にこだわるよりも、おいしさや買いやすい価格を重視しています。
それでは、元菓子屋のおやつを紹介していきましょう。
わらびもち(200円・税込)
もちもち・とろんとした食感と甘さにこだわったわらび餅。冷やしすぎると固くなってしまうので、食べる30分前に冷蔵庫で冷やして、添えてある特製の黒蜜をかけてお召し上がりください。
ほうじ茶プリン(200円・税込)
インドのチャイに発想を得て、濃く煮出したほうじ茶を少し硬めのプリンに。食べた人からは「ほうじ茶をそのまま食べているみたい」と言われるほど、濃厚かつ芳醇な香りが口中に漂います。
プリンにも黒蜜が付きます。黒蜜はあまり煮詰めすぎず、さらっと緩めに仕上げているとのこと。
週2回・2種類だけの「おやつの日」。値段も見た目も気張っていないけれど、手間は惜しまず、おいしさにはこだわっています。ただ空腹を満たすだけでなく、心もじんわり温めてくれる元菓子屋のおやつ。皆さんの冷蔵庫にもお一つ、いかがですか?
元菓子屋
所在地 村上市塩谷1302
電話番号 0254-66-5551
<おやつの日>
営業日 毎週火・金曜日 ※状況によって臨時休業する場合があります
営業時間 9:00~19:00 ※商品がなくなり次第閉店します
★おやつは予約可能です。前日までにお問い合わせください。