豊かな自然に囲まれた新潟県村上市。その賜物の一つである山菜は、雪解けのフキノトウに始まり、季節が移り変わってゆくにつれ、さまざまな山菜が芽を出し、食卓を彩ります。
例年5~6月は、村上はワラビの季節です。里山工房 ふくふくの野澤夫妻も週末はワラビ採りに出かけ、一年分の収穫と仕込みを行います。確かな目利きと丁寧な仕事で人気を博す、里山工房 ふくふくの山菜とその加工品。時間や手間を惜しまないおいしさが多くの人を魅了しています。
(取材日:2022年6月5日)
手間を惜しまない、本当のおいしさ
(写真左から)野澤始さん・キヨミさん。
※撮影のためマスクを外しています
野澤始さん・キヨミさん夫妻が“第二の人生”として里山工房 ふくふくを開業したのは、始さんが長らく勤めた会社を定年退職した2018(平成30)年のこと。村上のものを使い、添加物や保存料を使わない昔ながらの製法で、なにより自分たちが食べたい物を作りたいという想いからでした。
キヨミさんがリュックサックいっぱいに摘んだワラビ。
二人が手掛ける商品は、昔から村上の家庭で食べられてきたものばかり。山菜やトチノミ、柿といった山あいや里山の恵みを摘み取り、時間をかけて、手間をかけて、丁寧に作り上げています。
二人三脚での商品づくり
長さや太さで分けられたワラビ。
この日、野澤夫妻は朝から市内の里山へ出掛け、約20kgものワラビを収穫してきました。生の山菜は直売所やショッピングサイトを通じて販売。長年山菜採りに親しんできた二人の山菜は、その目利きの確かさで多くのファンを得ています。
「干し柿チョコレート くろ太のしっぽ」(下記参照)のモデル・くろ太。
また、丁寧に処理して塩蔵した山菜、さらにそれを用いた加工品と商品も徐々に増えてきました。コロナ禍で卸先がなくなった山菜は、オリーブオイルに浸けて瓶詰めに。干し柿は、日本酒の風味をまとわせチョコレートで包みました。こうすることで、これまで山菜や干し柿になじみがなかった人も手に取ってくれるようになったそうです。
里山工房 ふくふくのオススメ
とち餅大福・とちもち
村上市奥三面(おくみおもて)周辺で採れるトチノミを熟練の手技でアク抜きし、地元産こがねもちとつき合わせて、風味豊かなとち餅に仕上げました。大福には自家製の粒あんがたっぷり入っており、トースターで少しあぶってから食べるのもオススメです。
ふきのとうオリーブオイル漬
山菜ミックスオリーブオイル漬
塩抜きした塩蔵の山菜を刻み、笹川流れの藻塩で味付け、オリーブオイルに浸けたものです。フキノトウは柔らかい芽を厳選し、爽やかな苦みを閉じ込めました。山ウド・ワラビ・コゴミ等が入った山菜ミックスは、シャキッとした食感が楽しめます。パスタソースとして、トーストやご飯にそのままのせてもおいしくいただけます。
干し柿チョコレート くろ太のしっぽ
村上市関口で採れた渋柿を一つ一つ丁寧に天日干しし、村上の銘酒・大洋盛に浸け込みました。周りを覆うチョコレートにはクーベルチュールを使用し、滑らかな口どけの大人のお菓子に仕上げています。
里山工房 ふくふくの商品は、下記のショッピングサイト等で購入できます。
●食べチョク
●POCKET MARCÉ
●YAHOO! ショッピング
●新潟直送計画
村上の野山に育つ自然の恵みを摘み取り、昔ながらの手法で丁寧に作った里山工房 ふくふくの商品。ここ村上で食べ継がれてきたものが、今の感覚に合ったアレンジでさらに魅力が増し、そのおいしさは全国に広がっています。
里山工房 ふくふく
所在地 村上市松原町1-3-23
※店舗(作業所)での販売は行っておりません