村上市大町にある、千年鮭きっかわ 。
言わずと知れた鮭の名店ですが、実は地元・村上では麹(こうじ)を扱う店としても知られています。
上記写真は、きっかわの見学エリア外にある麹室の扉。麹造りは寒さ厳しい冬期間に行われるため、現在は固く閉ざされています。
年季の入った扉には、向かって右に「麹室入口戸」、左に「大正九年 庚申十月吉日」*とあります。中央の貼り紙には「学を修め 技を極め 一(はじめ)に還る」と会長・吉川哲鮏(てっしょう)さんの文字。
※およそ百年前の扉です
麹室の扉の上に祭られた、菌の神様。
こちらをはじめ、きっかわの店内には15基の神様が祭られているそうです。
写真右は、もち米を蒸すための甑(こしき)。
左には、麹を使うなれずしの一種「飯寿司(いずし)」を仕込む木桶があります。
麹造り「切り返し」の工程(写真提供:千年鮭きっかわ)
きっかわの麹は「へぎ箱 とも蓋造り」という、昔ながらの一番手間がかかる製法で造られています。古式ゆかしい甑を用いた「蒸かし」に始まり、約40℃に保たれた麹室での作業を経て、その成長を見守りながら4日間かけて造り上げます。人の手と麹菌との協同作業ゆえ、いつも同じ工程というわけにはいきません。心を平らかにし、麹に対して「懸命に励むので、どうぞ協力してください」と語りかけながら取り組むそう。先に紹介した哲鮏さんの貼り紙には、麹に対して謙虚であるべきという戒めが込められているのです。
手をかけ、時間をかけ、麹と対話しながら造られる、きっかわの麹。
今回は、この麹を素にした、滋養に富んだ麹スイーツをご紹介します。
天然麹甘酒(180ml 367円・税込)
甘酒は『飲む点滴』といわれるように、天然のブドウ糖の甘みにビタミン・ミネラルがたっぷり。冬の飲み物というイメージがありますが、夏の季語にもなっているように、滋養豊富で夏バテ解消にもオススメです。きっかわの甘酒は、砂糖等の添加は一切なし。優しい甘みが胃の腑に染みます。
【右】Madam Kikkawa 麹のスイーツドリンク プレーン(180ml 399円・税込)
【左】Madam Kikkawa 麹のスイーツドリンク 生クリーム風味(180ml 420円・税込)
きっかわが手掛ける新ライン「Madam Kikkawa(マダム キッカワ)」。洋食好きの奥様のために、ご主人(きっかわ社長・吉川真嗣さん)が作った洋風鮭料理などのレシピをブラッシュアップ、商品化したものです。麹のスイーツドリンクもその一つ。プレーンはすっきりとした自然な甘み、生クリーム風味は芳醇でこくのある甘みが特徴です。
Madam Kikkawa 麹プディング(420円・税込)
原料は、米麹・もち米・生クリーム・ゼラチンのみ。麹がつくり出す優しい甘みに生クリームのこくが加わることで、現代的で洗練されたスイーツに仕上がっています。
米麹の粒もしっかり感じられます。
気の置けない仲間同士が集まる席の、ちょっと気の利いた手土産にいかがでしょう。
洋風スイーツがちょっと苦手…という方にもオススメですよ。
千年鮭きっかわ
所在地 村上市大町1-20
電話番号 0254-53-2213
営業時間 9:00~18:00
定休日 元日
公式サイト >>> https://www.murakamisake.com/