むらかみやげ むらかみやげ

新潟県村上市で生まれ
全国・世界で愛されている逸品の数々。
作り手の情熱、商品に込められた想い
などとともに紹介します。

 


記事中で紹介している商品価格・店舗情報等は
取材当時のものです。あらかじめご了承ください。

 

 

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村上の定番土産といえばコレ!

 

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2022/08/25

常盤園(ときわえん)

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2020(令和2)年、北限の茶処 村上*は起こりから400年という節目を迎えました。例年6月には羽黒町の東林寺にて、村上に茶の種子を持ち帰った人物**として知られる村上堀家(藩)大年寄・徳光屋覚左衛門の追善供養が行われ、特にことしは境内にある頌徳碑の台石補修や碑の書き下し文・現代語訳の由来板も新たに設置されました。
*商業的な茶産地の北限(日本海側)の意味
**諸説あり(村上藩主・堀直竒が持ち帰ったという説もあります)

村上市肴町の常盤園(ときわえん)は、村上茶の起こりから200余年後の江戸後期1839(天保10)年に創業。時代の移り変わりに紆余曲折しながらも、今日まで自店の茶畑を守り、村上茶の製造販売を行っています。
(取材日:2022年7月28日)

 

村上茶の変遷


常盤園の創業者・矢部喜四郎さんが店を開いた江戸後期、村上茶はすでに産業の一つに定着しつつあり、江戸末期~明治にかけて最盛期を迎えます。宇治から招いた技師より指導を受け、村上茶の生産量・品質は飛躍的に向上。ニューヨークやウラジオストクといった海外の都市へも輸出されるようになります。

 

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店内に飾られた、大正~昭和初期にかけてのレッテル。

時代は大正・昭和と移り、村上茶は斜陽のときを迎えます。農業の近代化による温暖な他産地の隆盛、二度の戦争と敗戦、日本人の嗜好の変化。常盤園も大正時代からの近代化と戦後の農地解放等により、茶畑を半減させるなど苦しい時代を乗り越え、今に至ります。

 

先代たちの努力と若き店主の村上茶づくり


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村上市羽下ヶ渕の茶畑。
画像提供:常盤園

困難の中にあっても地道な努力を続け、常盤園は農業用ハウスや露地栽培で優良品種の作付けに成功。現在、茶畑は3haにまで回復しました。村上の気候風土にマッチした在来種*と品種**が市内に点在する茶畑でそれぞれ育てられています。
*自然交配でできた種子から育てたもの
**常盤園では「やぶきた」「つゆひかり」等、11品種を育てています

 

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新茶の茶摘み(手摘み)の様子。
画像提供:常盤園

例年、茶樹に積もった雪が解けはじめる3月下旬~4月上旬に一度目の剪定、続いて施肥。5月上旬~6月中旬には一番茶(新茶)の摘み取りが始まります。その後も二番茶(6月下旬~8月上旬)、秋摘み(9~10月)と続き、その間に草取り・施肥といった茶畑の管理も欠かせません。秋摘みが終われば、来春に向けての剪定を行います。

茶摘みが始まれば、収穫したお茶の葉は荒茶*へ加工します。とかく新茶の頃だけ注目が集まりがちですが、荒茶から製品への仕上げは一年を通じて行われます。中でも村上茶は、全工程を自店で行うことが多いため、その作業量は膨大です。
*収穫したお茶の葉に蒸し・揉み・乾燥を施し、製品になる前段階まで仕上げること

 

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常盤園15代目店主・矢部智弘さん。
※撮影のためマスクを外しています

常盤園店主・矢部智弘さんは、24歳で店を継ぎ、現在36歳。自店を切り盛りしながら、村上茶に携わる若手たちで結成された「村上茶研究会」の一員としても活動し、村上茶の品質向上や宣伝、普及に取り組んでいます。

村上茶の魅力について伺うと「寒冷で湿潤な村上独特の冬を越えて芽吹くお茶は、柔らかい味わいの中にもキレがあるのが特徴」と話し、今後は、村上茶のさらなる魅力追求とお茶離れに歯止めをかけるべく、手軽に楽しめる村上茶の新しいかたちを提案していきたいと仰っていました。

 

商品紹介


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煎茶 常盤園
100g 1,080円(税込)

一番茶の中頃(5月中~下旬)に摘んだものに、少し強めの火入れ(乾燥)を施し、よりまろやかな味わいになるよう仕上げた煎茶です。飲みやすく、買い求めやすい定番商品なので、お土産にはもちろん、ご自宅用にもオススメです。

 

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ティーバッグ村上紅茶(2.5g×10個 648円)
ティーバッグむらかみ烏龍茶(3g×10個 756円)
ティーバッグほうじ茶(3g×10個 540円)
※それぞれ税込

村上茶の葉を紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶に仕立て、手軽に飲めるティーバッグに。村上茶らしい優しい口当たりはそのままに、紅茶は香り高く、ウーロン茶はスッキリとした渋み、ほうじ茶は特有の香ばしさを生かして仕上げています。

 

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お茶屋の米かりんとう(40g 500円)
お茶飴(432円)
※それぞれ税込

岩船産コシヒカリの生地に煎茶を練り込んだ「お茶屋の米かりんとう」は、しっかりとした歯応えの生地に、煎茶の香り・ほのかな甘みが相まった逸品。「お茶飴」は、甘さの中にも煎茶らしい爽やかな苦みがあり、後口もスッキリしています。

 

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村上茶アイス(煎茶・紅茶・ほうじ茶)
各330円(税込)

村上茶の葉を丁寧に挽き、新鮮なミルクと合わせたカップアイスです。お茶の香り・うま味を生かすため、甘さは控えめに、さっぱりとした口当たりに仕上げています。煎茶の他、紅茶とほうじ茶の3種類があります。

 

上記の商品は、常盤園のオンラインショップでも購入できます。
https://maruki-tokiwaen.shop-pro.jp/

 

 

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常盤園(ときわえん)
所在地 村上市肴町3-30
電話番号 0254-52-2024
営業時間 8:30~18:30
※日曜日・祝日は9:00~17:00
定休日 第2日曜日(9~翌4月の間のみ)、元日

公式サイト
https://maruki-tokiwaen.com/

 

2022/08/05

山のおいしさ学校 どぶろく高根醸造場

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清酒に対して、濁酒(だくしゅ)という言葉があります。濁酒は、日本酒の製造工程の一つ、上槽(じょうそう:もろみを搾って酒と酒かすに分けること)を行わない濁った酒のことを指し、どぶろくもその一つ。
※どぶろくを漢字で書くと「濁酒」となります

村上市高根に、2005(平成17)年から造られている「雲上(くものうえ)」という名のどぶろくがあります。高根の棚田で育てた米を使い、集落を流れる高根川の伏流水で醸したどぶろくは、高根という豊かな土地の結実ともいえる酒です。
(取材日:2022年6月23日)

 

どぶろくってどんな酒?


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発酵中のどぶろく。ピチピチと炭酸ガスが弾けます。

どぶろくは、日本で稲作が始まった頃から造られてきた、長い歴史を持つ酒です。現在では、構造改革特別区域(どぶろく特区)の認定を受けた地域でのみ酒類製造免許が取得でき、新潟県では15の個人・団体が製造を行っています。

 

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一日一回、タンク内をかき混ぜて発酵を調整します。

どぶろくの材料となるのは、主に米・水・麹の三つ。蒸した米に麹を合わせ、水を加えて、温度管理をしながら日に一度攪拌しつつ、約2週間ほど発酵させます。上槽や火入れをせず、発酵したままを瓶詰めするため、開栓するとシュッ!と勢いよくガスが噴き出し、器に注ぐと表面がモコモコと泡立ちます。アルコール度数も高く(15%前後)、辛口で野趣あふれる酒です。

 

廃校でのどぶろく造り


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かつて多くの子どもたちが学んだ旧高根小学校。

どぶろく高根醸造場があるのは、2000(平成12)年に廃校になった旧高根小学校の校舎。現在この建物は、どぶろく雲上の製造のほか、そばや郷土料理を提供する食堂IRORI(いろり)やさまざまな催しの会場に利用されています。

 

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どぶろく高根醸造場の杜氏・鈴木信之さん。
※撮影のためマスクを外しています

17年前、どぶろくの製造免許[その他の醸造酒(濁酒)]を取得し、杜氏となった鈴木信之さんは「食堂IRORIで提供するものの一つとして」どぶろくを造りはじめました。原料の米は、鈴木さん自らが棚田で作ったコシヒカリ、水は「日本の滝100選」の一つ、鈴ヶ滝を源流にする高根川の伏流水を用いています。

 

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高根川に架かる雲上橋、左奥の建物は旧高根小学校。

ちなみに酒名の「雲上」は、高根集落にある河内二柱神社の祭神に縁がある雲上佐一郎(くものうえさいちろう)*から。高根川に架かる橋も「雲上橋」なので、高根に暮らす人たちにはなじみ深い名です。ラベルの文字は、高根在住の書道家・板垣梧舟さんが手掛けたもので、どぶろく雲上は隅々にまで“高根らしさ”が詰まっています。
*後白河法皇の第三皇子といわれている人物

 

商品紹介


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どぶろく雲上
300㎖ 900円/720㎖ 1,900円・ともに税込

高根産の棚田米コシヒカリと高根川の伏流水で醸したどぶろくは、荒々しい中にも豊かな味わいがあり、飲み下した後にはスッキリとした余韻が残ります。季節の山菜や刺し身といった淡白な料理とよく合います。

 

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どぶろく雲上 山桜
300㎖ 900円/720㎖ 1,900円・ともに税込

ヤマザクラのような優しい色合いは赤色清酒酵母によるもの。アルコール度数も7~8%と低めで甘み・酸味のバランスもよく、どぶろく初心者や女性にもオススメです。

 

どぶろく雲上・どぶろく雲上 山桜は、どぶろく高根醸造場のほか、道の駅 朝日(朝日みどりの里)物産会館でも取り扱っています。

 

 

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山のおいしさ学校
どぶろく高根醸造場
所在地 村上市高根1913
電話番号 0254-73-0298

 

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