漆器の魅力を問われれば、「使うたびに“自分仕様”になっていく」という答えになるでしょうか。繰り返し触れることで、艶が出て、手になじみ、温かみが増す。漆器とともに過ごした時間が、その器を育て、それが魅力となっていきます。
当市が誇る産品の一つ、村上木彫堆朱は江戸中期に技法が確立され、今日まで連綿と受け継がれてきました。その技と伝統を守る村上木彫堆朱会館(村上堆朱事業協同組合)には、所属する組合員(職人)が手掛けた逸品がそろいます。
(取材日:2023年1月13日)
村上木彫堆朱の歴史とその魅力
江戸時代中期、“武家のたしなみ”として武士の間で広まった村上木彫堆朱。歴代藩主が奨励したこともあり、流行の波は次第に町民へと広がりました。精緻で力強い彫り・優美な艶を備えた村上木彫堆朱は、昭和30(1955)年に新潟県無形文化財に、昭和51(1976)年には国の伝統的工芸品の一つに指定されます。
村上木彫堆朱の特徴は、芯となる木地に彫りを施すことです。花鳥や山水、地紋といった彫りを木地に直接彫り込むため、緻密で躍動感のある表現が可能になります。また、漆を塗り重ねた上に艶消しを施すのも特徴の一つで、使い始めの奥ゆかしい光りは“おぼろ月”に例えられ、使うたび艶が出てくるところもたまらなく魅力的です。
村上木彫堆朱を知る・体験する
会館2階では組合員の作業が見学できます。
※日や時間帯によっては見学できない場合があります
村上木彫堆朱会館は、村上木彫堆朱に従事する組合員のコミュニティーであると同時に、その技術や伝統を第三者に伝えるための施設でもあります。1階ショールームでは組合員が手掛けた製品の展示販売を行い、2階では作業見学や木彫体験(有料・要予約)を実施しています。
木彫体験(箸)の様子。
木彫体験は、箸と急須台の2種類から選ぶことができ、箸なら1時間、急須台は2時間程度で彫ることができます。彫ったものは、組合員の塗師が漆を塗って仕上げてくれる*ので、旅先のアクティビティーとしても人気です。
*体験料の他に別途費用がかかります
木彫体験の様子はこちらをご覧ください
https://www.sake3.com/activity/97
ショールームの人気商品
雷紋箸
1膳 3,300円~/夫婦箸(2膳セット) 6,600円~
※ともに税込
村上木彫堆朱の箸は、村上土産の定番。中でも、豊穣や吉祥*を表す雷紋が施された箸は人気です。塗りは堆朱・堆黒とあり、サイズも大・小あります。塗りだけのシンプルなものは1膳 1,650円(税込)~とお手頃、ご自宅用にもオススメです。
*諸説あります
ぐい呑み
5,000円(税込)~
日本酒好きな方に贈りたい、村上木彫堆朱のぐい呑み。伝統的な図柄(上の写真は村上市の花・ハマナス)が施されたもののほか、有名デザイナーとコラボレーションした「朱器(しゅき)」(下の写真)はここでしか買えない希少な品です。
朱器の詳細は下記をご覧ください
https://tsuishukumiai.jp/syuki-2/
リンク:村上堆朱事業協同組合
ブックカバー KOITTEN
16,500円(税込)
手触りのいい牛革を用い、背の部分に村上木彫堆朱をあしらった文庫サイズのブックカバー。彫りは椿・牡丹・鮭の3種類、塗りは堆朱・堆黒・朱溜塗(しゅだめぬり)の3種類から選べます。進学・就職といった人生の門出を迎える方への贈り物にもぴったりです。
KOITTENの詳細は下記をご覧ください
https://tsuishukumiai.jp/koitten/
リンク:村上堆朱事業協同組合
村上堆朱事業協同組合では、毎年3月に「堆朱まつり」を開催しています。組合員の製品が一堂に会し、表示価格から10%OFF(一部対象外)になる絶好の機会、ぜひ足をお運びください。
第17回 堆朱まつり
https://www.sake3.com/event/8096
会期:2023年3月18日(土)~22日(水)
会場:村上木彫堆朱会館
※詳細は下記までお問い合わせください
村上木彫堆朱会館
(村上堆朱事業協同組合)
https://www.sake3.com/spot/1100
所在地 村上市松原町3-1-17
電話番号 0254-53-1745
営業時間 10:00~16:00
定休日 不定休
※ショールームは冬季間(12~2月)土・日曜、祝日休み
駐車場 5台
公式サイト
https://tsuishukumiai.jp/