延喜年間(901~23)に成立の『延喜式』には岩船郡八社があげられ、その中の一社がこの多伎神社である。
祭神は海神三神の市杵島姫命(いつきしまのひめのみこと)を遠瀛(おきつのみや)、田心姫命(たごりひめのみこと)を中瀛(なかつのみや)、湍津姫命(たきつひめのみこと)を海辺(へつのみや)に祭るとされた。その湍津、すなわち多伎神社である。
付近に滝不動があるから多伎神社ではない。海神のタキツヒメを祭る神社なのだ。ただし、この神社には市杵姫命や田心姫命は存在しない。湍津姫命の海辺のみである。滝不動信仰がこの多伎神社に付随するのは後世である。
多伎神社(多岐神社)(たきじんじゃ)
所在地 村上市岩ヶ崎字多伎山787