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むらかみやげ むらかみやげ

新潟県村上市で生まれ
全国・世界で愛されている逸品の数々。
作り手の情熱、商品に込められた想い
などとともに紹介します。

 


記事中で紹介している商品価格・店舗情報等は
取材当時のものです。あらかじめご了承ください。

 

 

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もらってうれしい・贈って喜ばれる
村上の定番土産といえばコレ!

 

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2021/08/25

ミネラル工房

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出来立ての塩は少し黄みがかっていますが、水分が抜けると新雪のような純白に変わります

 

新潟県一の広さを誇り、長い海岸線を有する村上市。とりわけ北部の海は美しく、沿岸にはその海水で塩を作る工房が点在しています。

今回おじゃましたミネラル工房は、村上市街地から車で約1時間ほど北上した、国道7号沿いの山形県境付近にあります。工房の前には、海の底まで見える透明度の高い海。この海の結晶たる塩は、高名なシェフをはじめ多くの人から支持されています。
(取材日:2021年7月19日)

 

 

目前の海と後背の山からの恵み


ミネラル工房があるのは村上の最北端、車をもう1~2分も走らせれば山形県鶴岡市、俳人・松尾芭蕉も越えた鼠ヶ関(ねずがせき)へと至ります。

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工房の目の前には、大小さまざまな岩が突き出る日本海。穏やかな日には海水も澄み、海底で揺れる海藻の様子も分かるほどです。

 

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そして、工房の後ろには鬱蒼たる雑木の山。ミネラル工房の代表・富樫秀一さんは、この山を仰ぎ見て「この山からの水がうちの塩のうまさになるんです」と話します。

 

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富樫秀一さん(撮影のためマスクを外しています)

手つかずで多様な木々が茂る山は、土壌が肥えていて養分(ミネラル等)も豊富です。この養分が雨水に溶け出し、沢水となって目の前の海へ注ぎます。山の養分が運ばれた海は、そこに暮らすあらゆる生物を育みます。

話しを海水に戻し、山の養分が豊富な海水は、煮詰めていくと複雑で奥行きのある、味わい深い塩になります。ミネラル工房の塩は、海と山とに恵まれたこの地の結晶、まさに“白いダイヤ”です。

 

 

“白いダイヤ”が出来るまで


ミネラル工房の塩作りは、目の前の海から海水をくみ上げるところから始まります。

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濃縮釜で海水を炊き、約8倍の塩分濃度になるまで煮詰めていきます。

 

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焚き木には建築廃材等を用い、約14時間かけて濃度を上げていきます。

 

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濃縮した塩水を一晩寝かせ、沈殿した石灰分などの不純物(写真下部に沈んだ結晶)を取り除き、上澄み(母液)をさらに濃縮していきます。

 

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母液を入れた平釜を湯せんにかけ、さらに煮詰めます(平釜式煎ごう製法)。

 

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結晶化した塩をすくい上げ、水気を切ればようやく完成です。

 

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湯せんにより低温でゆっくりと結晶化した塩は、舌触りが柔らかく甘みが感じられます。また、ミネラルの比重を上げる工房独自の製法により、複雑なうま味も加わり、塩味の中においしさを内包した塩になるのです。

 

 

ミネラル工房 こだわりの塩


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白いダイヤ(100g 648円/300g 1,080円・ともに税込)

ミネラル工房の主力であり、一番人気の塩です。まろやかな塩味の中にうま味が包含されており、普段の料理に使えば、さらにそのおいしさを押し上げてくれることでしょう。まずは指先で優しくすりつぶし、塩のうま味を確かめてください。

 

 

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越後金色(80g 540円・税込)

ミネラル分を多く含み、深みのある味わいが特徴です。天ぷらや肉料理のつけ塩として。大豆製品とも相性がいいので、しょうゆの代わりに納豆に混ぜたり、冷ややっこや油揚げの焼いたものに付けてもおいしいです。

 

 

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フラワーソルト(各12g 350円・税込)
(左から)
●ストック、ナデシコ[赤系]
●ビオラ、ネモフィラ、ナデシコ[青系]
●マリーゴールド、キンセンカ[黄系]
※季節により花の種類や組み合わせが変わります

「白いダイヤ」に脇坂園芸(阿賀野市)のエディブルフラワー(食用花)を乾燥させたものが入っています。オリーブオイルと相性がいいのでカルパッチョやカプレーゼに。塩むすびに使えば見た目もパッと華やかになります。

 

 

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上記商品は工房併設の売店のほか、市内「道の駅」や観光案内所、土産物店、宿泊施設や観光施設の売店等でも取り扱っています。
※一部商品のみの場合があります

<主な取扱店>
道の駅 笹川流れ(夕日会館)
駅前観光案内所「むらかみ旅なび館」
又上 岩船本店
地酒の店 たむら
JAふれあい市 よれっしゃ・こいっちゃ

 

また、公式サイトでお取り寄せも可能です。
http://www.shiroi-diya.com/webshop/

 

創業から間もなく20年を迎えるミネラル工房。そのおいしさは口コミなどによって広まり、今では全国の名だたるシェフからも求められるまでになりました。村上市最北の海と山からの恵み、じっくりと時間をかけて作られる結晶“白いダイヤ”をぜひご賞味ください。

 

 

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ミネラル工房
所在地 村上市中浜1076-2
電話番号 0254-77-2993
営業時間 9:00~17:00
定休日 火曜日、第2水曜日(定休日が祝日の際は営業、翌日代休)、年末年始
公式サイト http://www.shiroi-diya.com/

 

2021/04/05

鈴木漆器店

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最終工程の「毛彫り(けぼり)」。縫い針のような極細の彫刻刀を用い、細かなニュアンスを出していきます

 

力強さと緻密さが共在する彫り、幾度も漆を塗り重ね慎ましい光をまとわせる塗り。村上木彫堆朱の魅力は、この二つによって成り立っているといってもいいでしょう。今回は、村上市肴町の鈴木漆器店へおじゃまして、新たな取り組みやお土産に人気の商品について聞いてきました。
(取材日:2021年3月11日)

 

 

村上が誇る、伝統的工芸品の一つ


国(経済産業省)が指定する伝統的工芸品は全国に236品目(2021年1月15日時点)あり、村上市では羽越しな布と村上木彫堆朱の2品が指定を受けています。

 

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村上では、昔から質のいい漆が採れたことに加え、江戸中期には武士のたしなみとして木彫が流行。それが町人の間にも広まって、技術が発展したといわれています。

 

現在では、堆朱・堆黒(ついこく)・朱溜塗(しゅだめぬり)・色漆塗(いろうるしぬり)・金磨塗(きんまぬり)・三彩彫(さんさいぼり)の6種の技法を「村上木彫堆朱」と呼んでいます。

 

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今回伺った鈴木漆器店は昭和39(1964)年の創業、現在は2代目の鈴木伸也さんが店を継いでいます。村上では珍しく、彫りと塗りの工程を一人でこなす鈴木さん。「父(創業者の正さん)は彫師でしたが、店を持ち、自ら塗りもするようになりました。私は29歳で店に入りましたが、父とともに働き、彫りと塗りの両方やるのが自然なことでした。」

 

 

名入れで村上土産に付加価値を


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鈴木伸也さん(撮影のためマスクを外しています)

店に入り、もうすぐ20年が経つ鈴木さん。伝統の村上木彫堆朱を作り続けるのと同時に、新たな漆器「SUMI・CO(すみこ)」(下記参照)の開発などにも取り組んできました。ことし3月にはレーザー彫刻機を導入、村上木彫堆朱の代表的なアイテムである箸に名入れができるようなりました。30分程で仕上がるので、その日のうちに持ち帰ることが可能です。

 

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「うちの箸は4面のうち2面に雷紋が彫ってあり、残りの面にレーザーで名入れします」(鈴木さん)。その間は村上での観光を楽しみ、帰りに店に寄って完成品を受け取る    村上を旅した記念になる村上木彫堆朱の名入れ箸、贈り物にも喜ばれることでしょう。

 

【名入れ箸について】
1膳 4,400円・税込(箸3,300円+レーザー彫刻1,100円)
※箸は色(朱・黒)と長さ(23cm・21cm)が選べます。
※名入れ文字は書体(楷書体・明朝体など)と色(黒・赤・金・黄・ピンク)が選べます。

 

 

鈴木漆器店の村上木彫堆朱・漆製品


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姫鏡(6,600円~・税込)

村上木彫堆朱の伝統的な図案(草花や地紋)の他に、かわいい黒猫をあしらったオリジナルの姫鏡も。使うほどにつやが増し、愛着がわく品に育っていきます。

 

 

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レーザー彫り根付(1,980円・税込)

均一な線彫りはレーザーならでは。手頃な値段でお土産にもオススメです。村上大祭の屋台の輪っか(車輪)、ハマナスといった村上らしい絵柄のほか、桜や波千鳥といった普遍的なものも。全6種類。

 

 

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SUMI・CO(3,980円~・税込)

本来は漆器の下地材である炭の粉。これを漆を塗ったものの上にまき、さらに漆をすり込み仕上げます。焼き物のような硬質な見た目と漆器の軽さを併せ持った新しい器。中性洗剤で洗えるので普段使いできます。

 

 

レーザー彫り根付は村上市内の下記施設でも取り扱っています。
駅前観光案内所「むらかみ旅なび館」
イヨボヤ会館
おしゃぎり会館(村上市郷土資料館)

 

SUMI・COは下記のお取り寄せサイトからも購入可能です。
https://shop.ng-life.jp/suzukishikki/0299-001/[外部リンク]新潟直送計画

 

 

 

鈴木漆器店
所在地 村上市肴町8-10
電話番号 0254-52-4443
営業時間 9:00~17:00
定休日 不定休
公式サイト http://suzukishikki.jimdo.com

 

2021/03/05

てまひま工房 山専(やません)

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淡いべっ甲色のとろりとした甘い液体。村上市大毎(おおごと)の山々に自生するイタヤカエデの樹液を煮詰めて作った、極めて希少な国産メープルシロップです。作り手の河面(こうも)専一さんが樹液の採取から製造までを手掛ける大変貴重な品、その奥深い味わいを紹介します。
(取材日:2021年1月22日・2月26日)

 

 

希少な国産メープルシロップ


現在、日本国内で流通しているメープルシロップの約95%はカナダ産といわれています。対して、日本国内で作られているメープルシロップは本当にごくわずか。河面さんが作る山専のメープルシロップも夏前にはほとんどが売れてしまう幻の存在です。

 

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無色透明なイタヤカエデの樹液(画像提供:てまひま工房 山専)

カナダ産メープルシロップの原料はサトウカエデの樹液。しかし、日本ではイタヤカエデの樹液が使われます。イタヤカエデから樹液が採れるのは2月上旬~3月上旬のおよそ1カ月間だけ。採れはじめの樹液は糖度が高く、甘いのが特徴。次第に糖度は下がっていき、3月半ばには樹液も出なくなります。

 

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20ℓ入るポリタンクを背負って雪山を登る(画像提供:てまひま工房 山専)

大毎は村上市内でも有数の豪雪地帯。イタヤカエデが自生する山にも、毎冬たくさんの雪が降り積もります。河面さんは自らスノーモービルを駆って山へ入り、ポリタンクに樹液を集めながら木々を巡ります。雪が厚く残る山の斜面、十数kgにもなるポリタンクを背負って移動するのは想像以上の重労働です。

 

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淡く美しい色合いも魅力の一つ(画像提供:てまひま工房 山専)

採集した樹液は、自宅に隣接する工房でひたすら煮詰めます。無色透明で糖度も1.5%ほどしかないイタヤカエデの樹液*。これを不純物を取り除きながら、1/50程度の量になるまで火にかけます。完成したメープルシロップの糖度は約66%。透明だった樹液はべっ甲のような淡褐色に変わり、上品で甘い香りを放ちます。
*サトウカエデの樹液の糖度は約3%

 

 

「てまひま」だけが生み出せるおいしさ


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撮影のためマスクを外しています

河面さんが自身の工房を開業したのは2012年10月のこと。雪山で飲んだイタヤカエデの樹液に心動かされました。「イタヤの樹液が甘いことは昔から知っていました。この樹液で自分のメープルシロップを作ってみたい。そう思い、日本メープルシロップ協会や山形県金山町でメープルシロップを作っている『暮らし考房』でシロップ作りを勉強しました。」

 

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イタヤカエデ(画像提供:てまひま工房 山専)

工房を構えた後も、河面さんの試行錯誤は続きます。2014年の春には販売もスタートしますが、納得がいく製品が出来るようになるには5度の春を迎えなくてはなりませんでした。「樹液が採れるのは気温5~15℃、寒暖差が大きい方がいい。毎年同じ質・量が採れるわけではないので、どの工程も例年通りとはいきません。また、樹液は採取後2~3日以内に加工しなければ質が変容する、とてもデリケートなもの。シーズンが始まれば、製品が完成するまで気の休まる時はありません。」

 

2021年2月末、ようやくことしのメープルシロップが完成したと聞き、再び工房を訪ねました。ことしは気温の低い日が多かったため、「糖度の質の良い樹液が採れた」と河面さんは話します。2021年2月に完成したばかりのメープルシロップ、数に限りはありますが、ぜひたくさんの方に味わっていただきたいです。

 

 

河面さんのメープルシロップ・メープルサップ


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ピュアメープルシロップ「楓の蜜」(50㎖)

村上市大毎周辺の山々に自生するイタヤカエデの樹液から作った希少なメープルシロップ。軽やかな甘みが特徴で、後口が重くならず爽やか。パンケーキやワッフル、プレーンヨーグルトにかけてもおいしいです。

 

 

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ピュアメープルサップ「楓のしずく」(500㎖/300㎖)

メープルサップとは、加熱滅菌した樹液をそのまま瓶詰めしたもの。イタヤカエデの樹液の糖度は約1.5%。口にすると、かすかな甘みとほのかな木の香りが広がります。

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お湯の代わりに沸かしてコーヒーを淹れたり、白湯にしたり、焼酎やウイスキーの割材にしたりと使い方はさまざま。サップで淹れたコーヒーはほんのり甘く、甘味料を後入れしたものとはちょっと違ったおいしさが楽しめます。一度お試しください。

 

 

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てまひま工房 山専のメープルシロップ・メープルサップは、村上市内の下記店舗でも数量限定で取り扱っています。
朝日みどりの里 物産会館
朝日みどりの里 農産物直売所
益甚

<村上市外>
●ナチュレ片山(本店・ピアBandai店)
http://nature-katayama.jp/[外部リンク]

 

 

てまひま工房 山専
所在地 村上市大毎627
電話番号 0254-75-2132
※工房を訪れる際は事前にお問い合わせください

 

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