(取材日:2024年4月19日)
5月下旬、もう夏到来か?!といった感じの日も増えてきました。そんな気分を先取りしたく、取材にかこつけて海岸線をドライブしたら気持ちいいだろうな~という若干ヨコシマな思いも抱きつつ、民家レストラン 凪のてらす 仲[なか]へ行ってきました。
民家レストラン 凪のてらす 仲
https://www.sake3.com/spot/6159
(雨の)眼鏡岩
(雨の)越後寒川[えちごかんがわ]
………そんな気分の日に限って雨。
でも、雨の笹川流れも空いていてよし。
笹川流れ
https://www.sake3.com/spot/78
今回紹介する凪のてらす 仲は、予約制で金・土・日曜日および祝日のランチタイムのみの営業(夜の営業は要相談)です。予約方法は電話(電話番号は下記参照)で、前日正午までに連絡してください。
店は碁石[ごいし]集落の中心部にあります。海岸線(国道345号)を利用した場合の道順は以下の通りです。
勝木[がつぎ]川を越え、山北徳洲会病院の方へ曲がります。
碁石と書かれた看板が見えたら、そこを左折。
国道345号の下をくぐります。
集落の看板の先に海が見えたらもう少し。
右手側に駐車場(6台分)があります。
※店の前にも2台停められます
駐車場には手作りの看板があります。
徒歩で店まで向かいます(1~2分程度)。
小路の先に海が見えてステキですね。
こんな感じで到着です。
村上市街地からは車で約45分くらいです。
※国道7号から行くルートもあります
元々は車庫兼農機具小屋だったという建物を改装した店内、靴を脱いで上がります。中に入ると、目の前には手作りの広いテラス、その先には風光明媚で知られる碁石の海が見えます。客席は14席ほど。BGMの合間に聞こえる波音が心地いいです。
(予約制なので)席に名札が置かれていました。
ちょっとうれしい。
料理は「凪の膳」(1,700円・税込)と「仲の膳」(2,200円・税込)の2種類だけ。この日は「仲の膳」をいただきました。
※下記で紹介しているメニューは取材当日のものです
仲の膳
2,200円・税込
※この他にデザート・コーヒーが付きます
この日のメニューは、サラダ、半月盆に7皿(料理11品)、ごはんとみそ汁、食後にデザートとコーヒーでした。用いられている食材は、どれもなじみのあるものばかりなのに、多彩な調理法・味のかけ合わせの妙で、はじめて口にするような新鮮さを感じました。
サラダ
最初に提供されるサラダは、旬の野菜にオリーブオイル・藻塩を振っただけ。シンプルなのに味に深みを感じるのは、藻塩が素材の味を引き立ててくれるからでしょう。あまりにおいしいので、他の皿にあった彩りのパセリにも付けて、みんな食べてしまいました。
(左から)
カワハギの甘酒みそ焼き
プチトマトのオリーブオイル焼き
花豆のコーヒー煮
しっかりした肉質のカワハギに、甘酒の甘みをほんのり感じるみそが染みていて、焦げ目まで香ばしく、おいしくいただきました。プチトマトはデザート感覚で酸味・甘みのバランスがよく、逆に花豆はコーヒーの苦みが効いていて後味スッキリでした。
イタドリのきんぴら
塩蔵のイタドリを塩抜きし、食感を生かすため細切りに。ゴマ油の香りとシャキシャキとした歯応えがたまらない一皿。
揚げ物
この日の揚げ物は、甘エビの唐揚げ・カレイのフライ・山菜(タラの芽・コゴミ)の天ぷら。甘辛いたれが絡んだ甘エビは、殻がパリパリでスナック感覚で丸ごといただきました。カレイは肉厚で食べ応えあり。旬の山菜には藻塩が振られ、大葉の天ぷらには手作りの神楽南蛮みそが包まれていました。
好味焼き
仲のオリジナル料理で、たっぷりすりおろしたニンジンにシイタケ・クルミ・卵・豆腐などが入っています。常連さんからの支持も厚い、唯一の定番メニューだそう。
豆腐サラダ
一見ポテトサラダのようですが、主になる食材は豆腐だそう。仲で使われている豆腐は「ぬくいで豆腐」(村上市温出)のもので、大豆の風味が濃厚でした。
漬物
漬物一つをとっても仲では工夫を欠かしません。種イモをすりおろして作った漬け床で野菜を漬けたそうです。優しい塩味でした。
きんぴら大福
箸休めの大福は、求肥[ぎゅうひ]の中に甘辛いきんぴらが包まれていました。もっちり×シャキシャキ、甘×辛の組み合わせがうまい!!
ごはんは自家製・碁石米コシヒカリ。碁石の田んぼは、粘土質で稲を育てるのは大変だけど、米に粘り・甘みが出て絶品なんだとか。使用に応じて精米し、ガス火で炊くので本当においしかったです(おかわりしちゃいました)。みそ汁の実は、ぬくいで豆腐と今が旬のアオサ。磯の香りとシャクシャクとした歯触りが食欲をかき立てます。
食後には、コーヒーとジャムや粒あんなどをのせた甘酒豆乳寒。スッキリとした甘さで、ごちそうをたっぷりいただいた後でも、すんなりおなかに収まりました。
仲では、お客様に提供する水に吉祥清水(村上市大毎)を使用しています。コーヒーやごはんを炊くときにも使っているそうです。
吉祥清水[きちじょうしみず]
https://www.sake3.com/spot/86
水の他にも、地元で採れた米や野菜、寝屋[ねや]漁港で水揚げされた魚介や海藻類、卵はオークリッチ、藻塩は笹川流れ塩工房(日本海企画)と、地元・山北[さんぽく]でとれたもの・つくられているものにこだわっています。
オークリッチ
https://www.sake3.com/spot/241
笹川流れ塩工房 Salt&Cafe
https://www.sake3.com/spot/267
仲で、料理を担当する板垣和子さん(写真左)と「(料理以外)なんでもやる」と話す純一さん。純一さんは、市役所・商工会での勤めを終えた後、山北の食の魅力を伝えたくて店を始めました。
料理を任されることになった和子さんは、純一さん曰く「料理が上手なだけじゃなく、真心でもって料理を作る人」とのこと。これまで急な来客があっても、その時にあるものを手早く調理し、快くもてなしてくれたと言います。
凪のてらす 仲の料理を一言で表すなら、きっと家庭料理というジャンルに収まることでしょう。しかし、地元・山北の食材にこだわり、アイデアと工夫を凝らした数々の料理を用意し、心を尽くしてお客様をもてなす板垣夫妻の姿に、“極上”という言葉を付記したいです。
民家レストラン
凪のてらす 仲
https://www.sake3.com/spot/6159
所在地 村上市碁石47
電話番号 0254-77-3759
営業時間 金・土・日曜日,祝日の11:30~14:00
※前日正午までに要予約
※夜の営業については要相談
定休日 月~木曜日
駐車場 8台