諸機械機関類 自轉車修繕所(岩船郡金屋村/小野七十七君)
金屋の一景観で、写真の説明には「諸機械機関類」とあって、もう一つは「自轉車修繕所」とある。さて、「諸機械」とは一体なんだろう。店先には、それを指すものはないようだ。金屋の表通りであろうが、平屋の屋根は石置きで、店舗らしい様子もない。
村人のたまり場になり、終日、寄り合っては去り、寄り合っては世間話にうち興じていた店か。数台の自転車は、その寄り合い客の乗ってきたものかもしれない。どだい自転車屋は、そうした世間話のたまりではあった。
この右の建物は農家であろうか。荒壁のみで、下見板なぞは見えない。
江戸時代には、一橋藩領17村の中心で、統治する役所は村中央の東寄りにあった。また、米沢往還道から出羽道を結ぶ地点でもあり、衣類や日用品、食品などを供給する店などもあったから、街村(がいそん)*的な景観の村であった。
*街道に沿って帯状に発展した集落
『新潟県肖像録』の中の村上市内の写真は、これでネタ切れになった。
次回からは、他に集めた古写真を紹介する。
大場喜代司
『むらかみ商工会議所ニュース』(2019年10月号掲載)村上市史異聞 より