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昔のことせ! ~村上むかし語り~ 昔のことせ! ~村上むかし語り~

当コンテンツは村上商工会議所が毎月発行している
むらかみ商工会議所ニュースで連載していた
『村上市史異聞』を転載したものです。
※2024年5月号で連載は終了しました

 

 

著者である大場喜代司さん(故人)
村上の昔のことを、あれやこれやと語ります。

 

 

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2008~2015年に書かれたものはこちら

2022/10/01

165 浜通りの出羽道(3)

瀬波町から岩ヶ崎を経て、勝木(がつぎ)までの道を出羽道と呼んでいるが、その道中間のどこにも出羽道と記された道標はない。この浜通りの道を出羽道と呼ぶのは通称であろう。

 

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間島を出た道は、沿海を北上するとほどなく柏尾浜に至る。小さく半島状に突き出た土地には柏尾の集落が描かれ、柏尾山の麓近くにひと際大きな尾根が描かれる。曹洞宗の柏樹寺(はくじゅじ)であろう。

 

江戸時代は村上藩領で、年貢の負担は兵役として米と鮭、差網が年貢の対象になっていた。また、小物成(こものなり/雑税)として塩、蒸貝(むしかい)の負担があった。わけて塩の生産は盛んであったから、塩釜神社が陸前(りくぜん)塩釜本社(現仙台市塩釜)から勧請(かんじょう)されていた。

 

この年貢負担は吉浦とても同じで、また両村とも小さな入江のあることから海運業も盛んで、両村の菩提所の寺院には船絵馬が残されている。図中に見える船は3、4人の人影らしい姿が見えるから小型の商船であろうか。静かで穏やかな小港のたたずまいと田園の端を旅人らしい4つの影が南下する様子が見える。

 

 

大場喜代司
『むらかみ商工会議所ニュース』
(2021
年11月号掲載)村上市史異聞 より

 

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